宮島・似島エコツアー

1031日~112日の23日で、

瀬戸内海国立公園である宮島と似島を舞台とした

滞在型エコツアーを開催しました。

 

初日は広島港からフェリーで似島に渡り、


海岸線のトレッキング・

戦争の歴史遺跡散策・

海釣り体験 を行いました。


海岸トレッキングでは、

島の海岸沿いに生育している植物を

約6km歩いて観察しました。                       



食べれる・食べられないを基準とした植物観察では、 実際に植物を手に取ってもらい、          葉・つる・幹等の特徴を説明しつつ、        味覚や匂いで覚えてもらう努力をしました。

 

植物観察に続き、

似島に在住している島民の方にガイドをしてもらいながらの約5kmの遺構巡り。

 

日露戦争~日清戦争~第一次世界大戦~第二次世界大戦と続く痛ましい戦争の遺構を、

当時の記憶やお爺さんお婆さんに聞いた話を織り交ぜながら話されるガイドさんの話に、


参加者の皆さんも熱心に耳を傾けながら、

改めて平和について考えることができました。

 


 

夕方、少々歩き疲れた感はありましたが、

頑張って最後のアクティビティである海釣り体験を実施

ほとんどの参加者が釣りの体験がなく、

竿の仕掛けの作り方からレクチャー。

 

準備が整い、いざ港へ。

浮き釣りに挑戦しましたが、餌のごかいを針に付けられなかったり、

期待とは裏腹に浮きがなかなか沈まなかったり

宮島の向うに日が落ちて、気温もぐっと下がってきました。

 

引き潮で未だに当たりも来ない。

参加者の誰もが、諦めムードになっていたその時、

1人の参加者が「きたっ!!」と叫びました。

ようやく釣れた魚はなんと、鯛の子どもでした。

 

結果として、本日の釣果は鯛の子ども2匹に終わってしまいましたが、

皆さん、初めての釣りを楽しんでくれました。



 

 

2日目は、チャーター船を用意して、

広島湾を横断しながら宮島へ。

 

宮島では、七浦巡りを行いながら、腰細浦及び青海苔浜に上陸し、

潮間帯生物の観察・トレッキング・思い思いのスケッチなどを楽しみました。

 

腰細浦での潮間帯生物観察では、岩場の生息環境を説明しながら、

マガキ、スガイ、イシダタミガイ、カメノテ等の様々な生き物を

手に触れ観察してもらいました

 

皆さんで実際に採ったヒジキや貝等は、

昼食の時に味噌汁の具として提供させて頂きました。

 

昼食は、宮島名物のアナゴ弁当と

スタッフがウエットスーツを着て張り切って?取ってきた?サザエのつぼ焼き、

そして、観察で採った貝や海藻を具とした味噌汁を添えて。

 

太陽の下で、広々とした空間の中で、皆さん大満足の笑顔でした。



 

昼食後は、再び乗船し、青海苔浜へ。


ここでも小舟に乗り換えて上陸。

海浜植物の観察や澄んだ小川に沿って、

ジャングルのような密林に分け入りました。


この場所は、ハマゴウと呼ばれる海浜植物が砂浜一面に自生しています。                                                 夏は、可憐な紫色の花を咲かせますが、季節は秋…                                                                                 この時期は、香り高い小さな実を付けています。            


この実には、安眠効果があり、昔はお香や線香にも使用され、                                                                リラクゼーション効果が抜群ですと伝えると、                                                                                     皆さん、ここぞとばかりに袋いっぱいに実を取り始めました。

 

青海苔浜を流れる小川のトレッキングでは、

美味しい水を求めて、密林の中を上へ上へと分け入りました。


冒険心が沸くような雰囲気の中、

苦労した末に飲んだ水は、とても美味しく感じられたと思います。



 

最後に休憩も兼ねて、スケッチブックをお渡しし、

のんびりと自分が感じた風景を写生していただきました。

 

                                                                  浜に打ち寄せる波の音を聞きながらスケッチを行っていると、

                                                                  何とも穏やかな雰囲気に包まれ、

                                                                  ゆっくりとしたひと時を過ごすことができました。



さて、青海苔浜でのアクティビティを終え、一行は再び七浦巡りを再開。


七浦巡りとは、

宮島の周囲に点在する7つの神社を時計回りに参拝し、

最後に厳島神社を参拝するという習わしです。


今回のツアーでは、チャーター船で7つの神社を巡った後、

厳島神社の大鳥居の前で記念撮影を行いました。


宮島学に精通したガイドの方のお話を聞きながら、

あまり知られていない宮島の歴史や文化について知識を深めることができました。



 

七浦巡りを無事終了し、一行は鳥居近くの桟橋で下船。

 

引き続きガイドの方の案内で、

まずは、毛利元就が厳島合戦(陶晴賢との戦い)で

海岸線まで突き出た尾根に築いた宮の尾城跡に登りました。

 

そこからの宮島町屋の展望は抜群。

厳島合戦のお話を聞きながら、16世紀半ばの時代に思いを馳せます。


その後、町屋に降りて、                                                                                                                    古民家やお寺の生活習慣に触れながら、散策を行いました。                                 



皆さん、昔ながらの情緒溢れる裏道を歩き、                                                                                        宮島の歴史と文化についてとても興味を示していました。



 

エコツアーも最終日。

平時に当たってしまったため、学校や仕事の関係で参加者は少し減ってしまい、

また、天候も雨のち曇り

 

                         正直、若干モチベートが下がりつつも、気を取り直して、

                         宮島の紅葉谷を散策しました。

                         紅葉谷はこの時期になると多くの観光客で賑います。

 

                                                        時期的に若干早いかと思いましたが、

                                                        森全体が緑から赤や黄に変化する景色を堪能することができました。

                                                        紅葉は赤色に色づいてとても風情がありました。



そして、ツアーも終わる頃には、天候が一気に回復し、

見事な厳島神社の鳥居に手を合わして解散となりました。


今回の23日のツアーでは天気にも恵まれ、

参加者の方々に様々な体験をして頂くことができました。


多くの自然と触れ合い、

その地の歴史・文化について体感していただけたのではないかと思っています。


今後も瀬戸内海の様々な場所で

エコツアーを開催したいと思っています。


自然や歴史・文化を体感してみたい、

学んでみたいと思っていただけた方は、

是非とも次のツアーにご参加いただけると幸いです。

 

記:大島 嵩弘